防災と水
大きな地震などで水道水が使えなくなった時のために、各家庭で水を備蓄する必要があります。東京都は、上下水道の復旧目標を 30日としています。つまり、最悪一ヶ月間は蛇口から水が出ず、トイレに水を流せない日々が続くということです。だからと言ってその間過ごせるだけの水を備蓄しておくということは現実的ではありません。では、普段の生活の負担にならないように、防災のために水を確保するにはどうすべきでしょうか。
生活に必要な飲み水の量
一般的に、人間一人が1日生きるために必要とする水の量は、2〜3リットルと言われています。全てを水として飲むわけではなく、料理などで使用して体に取り込む必要がある水分の量がそれくらいと考えましょう。そうすると、2リットルのペットボトル 6個入りのセットで、一人の3〜4日分となります。レトルト食品やジュースなどからも水分を取れますから、一人当たりの一週間分の飲み水として、
2リットルのペットボトル 12本セット
を用意しておけば、外部から飲料水入手できなくても一週間は乗り切れると考えられます。ペットボトルの水はどうせあまり高いものではないですし、一度に多く買えばその分単価も下がります。保存するための場所を確保できたら、長期保存が可能な商品を購入してしまいましょう。当分は気が楽に過ごせます。また、マンションの高層階に住む方は、給水場でもらった水を運んで階段を上り下りする苦労を考えると、その倍くらいは備蓄しておくべきでしょう。平常時にお金で解決できるのであれば、それに越したことはありません。
私は、5年保存できる水と、2年保存できる割安な水を混ぜて備蓄し、日常の飲料としての麦茶と合わせて、合計 6ダース分を確保しています。
マンションでは水を流さないのが基本
大地震の後は、マンションでは下水を使わないのが基本と言われます。それは、マンションの中にある下水管に破損があった場合、流された下水が室内などに流れ込む危険性があるからです。なので、専門家の確認が行われるまでは、トイレやお風呂、シンクへ水を流すことはご法度となります。また、お風呂に水を貯める・残り水を捨てないという、防災の基本と言われる行為も、マンションではやってはいけません。大きな揺れがあると重さでお風呂場を破壊する危険性もあります。マンション住まいの方は、お風呂の水はすぐに捨てる習慣をつけましょう。
乗り物の前には必ずトイレ
飲み水の他に個人的にオススメしたいのは、トイレを我慢しないということです。例えば震災時は自宅にいて、水を使わずに処理できる非常時用トイレセットがあったとしても、それを準備するまでに時間がかかります。「目的地に着いてからでいいや」とトイレを我慢して乗り物に乗って被災してしまうと、次にトイレに行ける機会がいつやってくるかわかりません。なので、エレベータ、電車、バス、飛行機、などに乗る前には必ずトイレを済ませます。
洗い物をためない
最後にもう一個オススメしたいのは、洗い物をためないということです。飲み水の確保も難しいくらいですから、被災後は洗濯もままなりません。洗濯は毎日しておきましょう。そして、それ以上にやっておきたいのは、食事のたびに食器類を洗ってしまうということです。油物などの汚れがひどいものほど、すぐに洗ってしまわないと、後悔することになります。
さ、この記事を読み終わったら「今やろう」精神で、トイレに行って、備蓄水を注文して、洗い物をしてしまいましょう。そしてあなたも東京サバイバ!